【冠詞・無冠詞】英語の冠詞 a / the / 無冠詞・some の使い分け

英語の冠詞は、日本語にはない文法要素なので混乱しやすいポイントです。ですが、基本は「不特定」か「特定」かを見分けるだけでシンプルに整理できます。ここでは例文を交えながら、丁寧に解説していきます。


目次

1. a と the の違い ― 不特定か特定か

例文

  • This is a watch.
     これは(どれでもよい)1つの時計です。
  • He bought a watch for me. This is the watch.
     彼は私に時計を1つ買ってくれました。これがその時計です。

解説

  • a = ある1つ(初登場・不特定)
  • the = その1つ(話題に出た後・特定)

ポイント
英語では「初めて出すもの」に a を付け、2回目以降や相手に共有できるものには the を付けます。まるで“登場シーン”のように考えると分かりやすいです。


かおる

初めて出すものには a、もう分かっているものには the をつけるんだ。

2. some と the の使い分け

例文

  • I bought some notebooks.
     私は何冊かのノートを買いました。
  • I bought the notebooks.
     私はそれらのノートを買いました。

解説

  • some は「いくつかの」「不特定の量」を表します。
  • the は「それら」「特定されたもの」を指します。

補足例

  • I have some questions.(いくつかの質問があります)
  • I saw the boys at the station.(駅で見かけたあの少年たち)

無冠詞になる場合
「種全体」を指すときは無冠詞です。
例:I like cats.(ネコ全般が好き)


3. 単位・数量を表す a

例文

  • He studies two hours a day.
     彼は1日に2時間勉強します。
  • We play tennis twice a week.
     私たちは週に2回テニスをします。

解説

a は「1つの」という意味から「1単位」という意味に発展しました。時間・回数・速さなどを表すときによく使われます。


4. the が必要なケース

唯一のもの

  • The sun rises in the east.
     太陽は東から昇ります。
  • The moon is bright tonight.
     今夜は月が明るい。

修飾によって特定される場合

  • The water in that lake is clear.
     その湖の水は澄んでいる。

文脈で相手と共有できるもの

  • Will you pass the salt?
     (食卓の)塩を取ってくれる?

Taro

冠詞は“その名詞が相手にとって
特定できるかどうか”を表すサインなんだよ。

5. 習慣的表現での a / the / 無冠詞

楽器は the

  • She plays the guitar.
     彼女はギターを弾きます。

※買うときは a

  • He bought a guitar last month.

慣用句で a

  • have a good time(楽しい時間を過ごす)
  • take a walk(散歩する)

無冠詞になる表現

  • go to bed / go to school / go to church
  • at night / by train / for breakfast
  • play soccer / study math
分類英語例文 / 表現日本語訳ポイント
楽器は theShe plays the guitar.彼女はギターを弾きます。楽器を演奏するときは the をつける
買うときは aHe bought a guitar last month.彼は先月ギターを1つ買いました。具体的に「1つ購入」=a
慣用句で ahave a good time楽しい時間を過ごすa = 「1回の経験」として数える
take a walk散歩する同上、行為を1回とみなす
無冠詞になる表現go to bed / school / church寝る / 学校へ行く / 教会へ行く行為や習慣を表すため無冠詞
at night / by train / for breakfast夜に / 電車で / 朝食に時・手段・食事名も無冠詞
play soccer / study mathサッカーをする / 数学を学ぶスポーツ・学問名は無冠詞

6. 家族呼称や一般的な名詞は無冠詞

  • Mother is in the kitchen.
     母は台所にいます。
  • Father goes to work every day.
     父は毎日仕事に行きます。

英語では「家族呼称」は my/our が暗黙で含まれているため、冠詞をつけません。

冠詞の使い分け 図解(早見表)

冠詞使う場面例文日本語訳
a / an不特定の1つ、初登場This is a book.これは1冊の本です。
the特定されたもの、唯一の存在This is the book I bought.これが私が買ったその本です。
some不特定の数・量I bought some apples.私はいくつかのリンゴを買いました。
無冠詞スポーツ・学問・食事・習慣I play soccer.私はサッカーをします。

まとめ

  • 初めて出てくる → a / an
  • みんなが分かる・文脈で特定 → the
  • 数や量をぼんやり示す → some
  • 習慣や一般的なもの → 無冠詞

📌 冠詞は「名詞のステータスを表すしるし」です。
“不特定 → 特定” という流れを意識すると、一気に理解が深まります。

  1. a → ある1つ(不特定・初登場)
  2. the → その1つ(特定・2回目以降)
  3. some → いくつかの(不特定な複数や量)
  4. 無冠詞 → 習慣表現・スポーツ・学問・食事・家族呼称など

冠詞は「新しい話題か、すでに共有されたものか」を示す合図。迷ったときは「相手にとって特定できる?」を自問すると判断しやすくなります。

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